中国法務の小窓(第14回)~中国ビジネスをあなたの手の中に~「指導性事例:労働法関連」

弁護士 武田雄司

中国法務の小窓(第14回)~中国ビジネスをあなたの手の中に~「指導性事例:労働法関連」

 

 弁護士 武田雄司

 

第1 はじめに

 

前回に引き続き、類似事案の判断に関し下級審を拘束する効果すら与えられている、最高人民法院が指定した指導性事例を紹介していきたいと思います。

 

本稿は、以外と少ない(1件しかありませんでした。)労働法関係の事例です。

 

第2 労働法関係の指導性事例

 

1.指導事例18号(発布日時:2013/11/8

 

関連条文:労働契約法39条、40

 

労働契約法

第39条  労働者に次に掲げる事由の一がある場合には、雇用単位は、労働契約を解除することができる。
(1)試用期間において採用条件に適合しないことが証明されたとき。
(2)雇用単位の規則制度に重大に違反したとき。
(3)職責を重大に失当し、私利を図り、雇用単位に重大な損害をもたらしたとき。
(4)労働者が同時に他の雇用単位と労働関係を確立し、当該単位の業務任務の完了に重大な影響をもたらし、又は雇用単位の指摘を経て、是正を拒絶するとき。
(5)第26条第1項第(1)号所定の事由に起因して労働契約が無効となったとき。
(6)法により刑事責任を追及されたとき。

 

第40条  次に掲げる事由の一がある場合には、雇用単位は、30日前までに書面により労働者本人に通知し、又は労働者に1か月分の賃金を余分に支払った後に、労働契約を解除することができる。
(1)労働者が病を患い、又は業務外の原因により負傷した場合において、所定の医療期間満了の後に原業務に従事することができず、また、雇用単位が別途手配した業務に従事することもできないとき。
(2)労働者が業務に堪えることができず、養成・訓練又は業務職位の調整を経て、なお業務に堪えることができないとき。
(3)労働契約締結の際に根拠とした客観的状況に重大な変化が生じ、労働契約を履行するすべをなくさせ、雇用単位と労働者の協議を経て、労働契約内容の変更につき合意に達することができないとき。

 

判断要旨:

 

雇用単位における等級考査において、労働者が一番下の等級であることは、(法定の解除事由である)「労働者が業務に堪えることができず」と同等であることを意味するものではなく、一方的な労働契約の解除が認められる法定条件には符合せず、雇用単位は、等級考査の結果に基づいては、一方的に労働契約の解除をすることはできない。

 

以上

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