弁護士 武田雄司

中国法務の小窓(第7回)~中国ビジネスをあなたの手の中に~「中国の目指す社会主義国家はどんな国?―中国の国家機構~行政組織⑥」

中国法務の小窓(第7回)~中国ビジネスをあなたの手の中に~「中国の目指す社会主義国家はどんな国?―中国の国家機構~行政組織⑥」

弁護士 武田雄司

 

3.3.3 中国の行政組織―国務院組織機構の具体的内容

 

国務院HPで紹介されている各機構の具体的部門等は次のとおりです。

 

これらの機構(以下の①~⑥)の設置については、「機構設置に関する国務院の通知」(2013年3月19日国務院発布[国発[2013]14号])に定められている内容です。

 

国務院直属機構や国務院直属事業単位の下にも、さらにいくつもの直属単位が設置されており、業務が細分化されています。

 

そのため、中国の役人といっても、どこに所属する役人であるのか、ということが極めて重要な問題になります(横の関係での権限分配の問題)。

 

許認可等を受けるために必要な窓口はどこになるのか明確に理解しないまま、現地法人から、「役人のOKをもらっている」との言葉を鵜呑みにするだけでは、適切な案件管理はできません。

 

※耳にする失敗談としては、国務院レベルの機関の話ではありませんが、確かに「役人」が問題ないと言ってくれたため投資を決めたものの、実際には環境規制が厳しく、設備の改良をしなければ、生産できないことが発覚した等の話があります。

よく話を聞くと、この「役人」さんは、「招商局」の役人さんであったというオチです。

「招商局」の主な役割は、投資促進・誘引活動であり、もちろん「招商局」の方が意図的に誤った情報を提供することはないとしても、最終的な権限が何もない人物のOKには、残念ながら意味はありません。

初歩的な問題といえば初歩的な問題ですが、実際に慣れない環境に飛び込み、色々な人物に会い、「没問題」を繰り返されると、役所の方はなんだか全ての権限をお持ちのように思い込みがちです。

そのため、本当に話すべき相手は誰か(どこか)、という点については十分に意識を持つということを意識いただければと思います。

 

なお、以下ご紹介する機構等は、国務院の組成部門、直属機構等ですが、各地方には、国務院の指導を受ける各地方人民政府の組成部門、直属機構等として、各地方にも同種の機構等が設置されており、具体的な案件の対応窓口は、それらの地方の機構になることが一般的です。

 

ただ、プロジェクトの規模によっては直接国務院の直属機構が管轄することもあるところであり、上述した横の関係の権限分配に気をつけると共に、縦の関係の権限分配についても注意が必要です(もっとも、その状況を理解した上で、敢えて下級部門から挨拶に行き、上級部門の指導者を紹介受ける等、手順・作法を検討することもまた重要なポイントであることも肝に命じておく必要があるでしょう。)。

 

①国務院弁公庁

 

②国務院組成部門

・中華人民共和国外交部

・中華人民共和国国防部

・中華人民共和国国家発展及び改革委員会

・中華人民共和国教育部

・中華人民共和国科学技術部

・中華人民共和国工業及び情報化部

・中華人民共和国国家民族事務委員会

・中華人民共和国公安部

・中華人民共和国国家安全部

・中華人民共和国監察部

・中華人民共和国民生部

・中華人民共和国司法部

・中華人民共和国財政部

・中華人民共和国人力資源及び社会保障部

・中華人民共和国国土資源部

・中華人民共和国環境保護部

・中華人民共和国住宅及び都市農村建設部

・中華人民共和国交通運送部

・中華人民共和国水利部

・中華人民共和国農業部

・中華人民共和国商務部

・中華人民共和国文化部

・中華人民共和国国家衛生及び計画出産委員会

・中国人民銀行

・中華人民共和国会計検査署

 

③国務院直属特設機構

・国務院国有資産監督管理委員会

 

④国務院直属機構

・中華人民共和国税関総署

・国家税務総局

・国家工商行政管理総局

・国家品質監督検査検疫総局

・国家報道出版・ラジオ映画テレビ総局(国家版権局の門標も掲げる。)

・国家体育総局

・国家安全生産監督管理総局

・国家食品薬品監督管理総局

・国家統計局

・国家林業局

・国家知的財産権局

・国家観光局

・国家宗教事務局

・国務院参事室

・国家機関事務管理局

・国家腐敗予防局(監察部において門標を掲げる。)

 

⑤国務院事務処理機構

・国務院僑務弁公室

・国務院香港・マカオ事務弁公室

・国務院法制弁公室

・国務院研究室

・国務院台湾事務弁公室(中共中央台湾業務弁公室の門標も掲げる。)

・国務院報道弁公室(中共中央対外宣伝弁公室の門標も掲げる。)

・国務院邪教問題防止及び処理弁公室(中央邪教問題防止及び処理指導グループ弁公室のの門標も掲げる。)

 

⑥国務院直属事業単位

・新華通信社

・中国科学院

・中国社会科学院

・中国工程院

・国務院発展研究センター

・国家行政学院

・中国地震局

・中国気象局

・中国銀行業監督管理委員会

・中国証券監督管理委員会

・中国保険監督管理委員会

・全国社会保障基金理事会

・国家自然科学基金委員会

 

⑦国務院部門・委員会が管理する国家局

・国家投書・陳情局

・国家食料局

・国家エネルギー局

・国家国防科学技術工業局

・国家たばこ専売局

・国家外国専門家局

・国家公務員局

・国家海洋局

・国家測量製図地理情報局

・国家鉄道局

・中国民間航空局

・国家郵政局

・国家文物局

・国家中国医薬管理局

・国家外貨管理局

・国家炭鉱安全監察局

・国家档案局(中央档案館の門標も掲げる。)

・国家秘密保持局(中央秘密保持委員会弁公室の門標も掲げる。)

・国家暗号管理局(中央暗号工作指導グループ弁公室の門標も掲げる。)

 

⑧国務院議事協調機構

・国務院貧困扶助開発指導グループ弁公室

・国務院三峡工事建設委員会弁公室

・国務院南水北調工事建設委員会弁公室

 

以上、長々続きましたが、中国の国家機構~行政組織のご紹介はこれで終了です。

 

次回は、ようやくですが、別の話題に移りたいと思います。

 

以上

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