弁護士 林村涼

絵本の読み聞かせ動画の配信・投稿と著作権

昨今、新型コロナウイルス禍に伴う在宅育児の支援を目的とした絵本の読み聞かせ動画の配信・投稿が増え、絵本の出版社がホームページで「絵本の読み聞かせ動画の無断公開は著作権法違反である」旨の注意喚起をする事態となっています。そこで、今回は絵本の読み聞かせ動画の配信・投稿が著作権法違反となる理由について解説します。

 

絵本は、作者の「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法第2条第1項第1号)に該当するため、著作権法上の著作物にあたります。

そして、当該作者は、当該絵本について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行う権利(=公衆送信権)を有しています(同法第23条第1項)。

公衆送信権とは、著作物を、有線放送、インターネット等で伝達することを著作者に専有させる権利の総称であり、「自動公衆送信」とは、「公衆送信のうち、公衆の求めに応じ自動的に行うもの」(同法第2条第9号の4)を言い、閲覧者の閲覧請求に応じて行われる、ダウンロードやストリーミング放送などが当てはまります。また、「送信可能化」とは、「自動公衆送信し得るようにすること」(同法第2条第9号の5)を言い、送信行為の有無にかかわらず、著作物をサーバー等にアップロードすると送信可能化行為に当たります。

絵本の読み聞かせ動画の配信・投稿は、絵本の中の絵やストーリーを、動画配信サイトのサーバーにアップロードする行為ですので、まさに送信可能化行為を行っていると言え、絵本の作者が有する公衆送信権を侵害することとなります。

 

以上が、絵本の読み聞かせ動画の配信・投稿が著作権法違反となる理由ですが、著作権者から許諾を得た上で行う場合については、違反行為に該当しませんので、絵本の読み聞かせに限らず、他人の著作物を用いた動画の配信・投稿を行う際は、著作物の著作権者に許諾を得るべきと言えます。

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