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家屋改造費等について

家屋改造費等について

家屋改造費等について

 

被害者の方が,事故による後遺障害のために,従前暮らしていた住居で生活を継続することが困難となり,家屋を改造する必要が生じる場合があります。その場合,被害者の受傷の内容,後遺症の程度・内容等の具体的事情から,必要性が認められる場合には,家屋改造費について,実費相当額の賠償請求が認められます。

 

改造費の必要性,相当性(不要な高級仕様になっていないか等)については,事案ごとに判断されることになりますが,一般に,重度の後遺障害者が,自宅内における移動や基本的な生活動作を行うための改造,

例えば,

・車いすによる移動のための玄関のスロープの設置,

・自宅内の段差の解消

・トイレ及び浴室の改造

等は,必要性が認められやすいといえます。

 

改造費ではなく,新築工事費用転居費用・家賃差額等について請求する場合は,自宅が賃貸物件であること家屋改造では車いすによる移動の空間を確保することが物理的に不可能であることの他,建物を改造するよりも新築するほうが経済的であることなど,新居工事の必要性・相当性を主張・立証する必要があります。

 

上記の改造費等については,高額な工事費用を請求することになる場合が多く,訴訟等において必要性・相当性に争いが生じることが少なくありません。争いが生じた場合,被害者側において,工事箇所(新築の場合は,身体障害者用の特別仕様とするための工事を施した部分)ごとの必要性・相当性を主張・立証する必要があります。

 

そのためには,少なくとも,

・工事業者や建築士の作成した工事箇所ごとの費用を明示した見積書・明細書のほか,

・改造又は身体障害者用の特別仕様とするための工事を施す箇所・状況(改造の場合には改造の前後のもの)を明らかにする平面図・立面図

・自宅の改造箇所の写真やビデオテープ

・被害者の生活状況に関する被害者や家族の報告書・陳述書

等を裁判所に提出する必要があります。

また,

・費用支出の必要性,相当性について検討した建築士作成の私的鑑定書

・身体障害者用の特別仕様とする必要性に関する医師の意見書

といった資料を提出することも少なくありません。既に工事が終了している場合には,領収証の提出も必要となります。

(以上は家族改造費の場合。新築・転居の必要性・相当性についても,自宅の改造が不可能であるか,可能であるとしても改造では対応できないこと,改造によるよりも新築の方が経済的であること等について,上記に準じて立証する必要があります。)

 

なお,家屋改造等の必要性・相当性が認められるとしても,他の同居の家族が,改造等によって家屋の利便性が向上したことによる利益を享受していると認められる場合(例えば,エレベーターが設置され,他の家族もそれを利用しているような場合)には,実費相当額全額から,一定割合の減額がなされることがあります。

 

改造等により,被害者の家族においても何らかの利便を享受する場合は多いと考えられること,改造費等は,事故により,被害者が不本意にも支出を余儀なくされた費用であることからすると,家族が利便を享受しているからといって,安易に減額がなされるべきではないと考えられ,実際の裁判例でも減額を否定したものは複数ありますが,そのような減額の可能性がないとはいえないことについては留意しておく必要があると思われます。

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