3ヶ月の申述期間経過後の相続放棄

「私は北海道に住んでいます。そして、父が亡くなったのを知った日から約4年が経っています。先日、市役所から電話があり、父名義の不動産について、約6年前から固定資産税の滞納があるから支払ってほしいと言われました。」とのご相談がありました。

 

民法上、相続人は「自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に」相続放棄をしなければなりません(民法915条1項)が、本件では、お父様がお亡くなりになったのを知った日(=相続の開始があったことを知った時)からすでに約4年も経過していました。

 

そうしますと、民法上、相続放棄ができないとも思えます。しかしながら、相続財産が全くないと信じ、かつそのように信じたことに相当な理由がある場合には、例外的に相続放棄の申述が受理されることもあります。

 

本件では、当職らにおいて、北海道から戸籍等の必要資料を取り寄せ、過去の裁判例や本件に即した具体的事情を記載した申述書を作成し、裁判所に提出しました。そして、裁判所から本人への照会書の記載内容についてもサポートさせていただき、ご依頼いただいてから約1ヶ月後には、裁判所に相続放棄の申述が受理されました(もっとも、相続放棄の申述が受理されるまでの期間は裁判所にもよりますし、ケースバイケースではあります)。

 

また、ご依頼者様は北海道にお住まいの方でしたが、電話やメールで迅速に対応させていただき、スムーズに相続放棄を行い、「半ば諦めていたが諦めずに依頼して本当に良かった」と言っていただくことができました。

 

このように、3ヶ月の申述期間経過後の相続放棄であっても、例外的に相続放棄が認められる場合がありますので、諦めずにぜひご相談いただければと存じます。

 

弁護士 赤松 和佳

2020.05.08赤松和佳